2019年11月2日
- Case Study 6 — Discussion & Possibilities
Female Age 7, Class Ⅱ Open bite, Poor head posture, Tipped palatal plane, Narrowed dentures, Q/H, Cervical Traction, Upper and Lower U-A, Change of Oral Environment, Therapeutic Ideal, Mid line correction.
Headgear (Cervical traction) の講義のためにRickettsが準備した症例。早期にOrthopedicな治療を行わなければ、外科矯正を併用した小臼歯抜去を要したと考えられます。
特徴として、
(1) Bad head posture
(2) 鼻孔が上向きで上顎が突出, Platal plane = 11°
(3) 上下歯列の強度な狭窄
(4) 過大なオーバージェットとオープンバイト
(5) 鼻腔粘膜の腫脹やアデノイド・口蓋扁桃の肥大等の耳鼻科系の問題は軽微
(6) 拇指吸引癖について解説はなかったが、夜間および日中に吸っていた形跡あり.
※Case Study 6 の説明にさきだち、拡大中の正中口蓋縫合が、粘膜にも特徴的に観察される写真を提示します。Q/Hだけではなく、Headgear の インナーボウをわずかに拡大することによっても、正中口蓋縫合は拡大します。Ricketts seminar に参加するまで筆者は知らず、爾來、同様の症例で毎回確認するようになりました (写真 1 )。新生骨の生成がここで起きると、上層粘膜は明るくピンク色を帯び、その幅も開きます。
【治療計画・実際の治療経過】
Cervical traction で中顔面の成長を是正、同時にインナーボウによる正中口蓋縫合の拡大を図る。
顎関係の前後的な修正が概ねすすんだところで、Q/Hで上顎骨を再度側方へ拡大。
Platal plane の前方が下がってくるにしたがって、上下前歯の干渉を回避して最大限下顎アーク状成長を引き出す目的で、上下前歯の intrusion を行う。
仕上げ処置として Full strap up、4D-plus のブラケットで Ideal arch を経て保定へ。
Mid line がわずかにズレているために、上顎は左側の切歯隣接面の削合、下顎は右側の切歯隣接面の削合を数カ所おこなって、自然に正中が一致しました。