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生物学原理 ①

2023年11月14日

Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン) 

臨床者が依拠する原理の質、種類の豊富さ、組み合わせ方が、実践を通してそのひとなりの Philosophyを培う.
Bioprogressiveのきわだつ特徴は、生物学原理を自在に援用した、最大非侵襲・最大成果を旨とする臨床思考だ. だから時代ごとに現れる新技術・新知見をどんどん呑み込んで発展する.
Core valueは、“First select procedures that will make money and still produce the highest quality possible”.

*アルファベット順

 

1. Adenoid / Large tonsils  呼吸や舌の位置、口唇の機能、嚥下機能はAdenoidや肥大した口蓋扁桃の影響で適応性に異常なバランス状態におかれる。顔と歯列の発育、治療の進行、治療後の歯列への影響は無視できない。

 

2. Adult subtle growth change 成人になっても骨格形体や歯列の変化が継続する。変化は生涯にわたる。細胞置換に照らしても「絶対不変」はない。

 

3. Advantage of growth Facial typeや下顎弓状成長を利用した早期治療の奥義。Anchorageの計画へも反映され、しかも保定中の咬合安定にも大きく影響する。下顎弓状成長による咬合の緊密化はその一例だ。中顔面全体の前方成長速度を遅くしたり、上顎臼歯の自然な前方移動に抑止をかければ、Ⅱ級の臼歯関係がⅠ級へと是正され、上顎前歯の前突も緩和される。Ⅲ級若年患者では中顔面における前方成長の促進が考慮される。

 

4. Advantage of orthopedics 中顔面の骨格的是正を活用した早期治療ならではのメリット。上下顎の前後バランス(歯列の土台)が整った分、歯の移動は少なくて済む。歯根の損傷とfacial axis開大のリスクも軽減する。また、正中(上顎)口蓋縫合の拡大効果はときに鼻腔底へ及ぶ。ただし鼻粘膜の肥厚や充血、免疫等々が関与する鼻閉症状がそれだけで改善する保証は残念ながらない。上顎複合体の骨のボリュームが増すために、あるいは加齢中も維持できるように、しっかりと奥歯で咀嚼する生活上の刺激は不可欠である。

 

5. Allergies 口唇や舌の位置と機能に影響するアレルギー性鼻炎、または金属やラテックスアレルギーによる装置の制約。呼吸の問題は、顔と歯列の成長を阻害し、動的処置の進行を妨げ、保定中の後戻りを助長する。諸種のアレルギー反応は、呼吸系の疾病にかかわらず、全身性疾患あるいは精神にも波及する。

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