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生物学原理 ⑭

2023年12月25日

 

Ricketts の生物学原理(臨床思考のバックボーン)

 

臨床者が依拠する原理の質、種類の豊富さ、組み合わせ方が、実践を通してそのひとなりの Philosophyを培う.

Bioprogressiveのきわだつ特徴は、生物学原理を自在に援用した最大非侵襲・最大成果を旨とする、患者個々人に合わせた臨床思考だ. 時代ごとに現れる新技術・新知見を生物学原理から精査し、それらをどんどん呑み込んで発展する可能性は無限だ.

Core valueは、“First select procedures that will make money and still produce the highest quality possible”.

*アルファベット順 (生物学原理 ⑬の続き)

 

54. Progressive withdrawal 動的処置後半から、段階的に保定処置へ移行する治療原理。バンド治療では、finishing stageで側方歯のバンドを除去し、バンドスペースの閉鎖時にovertreatmentを行う。ダイレクトボンドの時代では難しいが、一例を挙げれば、overtreatment(overcorrection)をおこなった側方歯群のブラケットスロットをタービンバーで広げてワイヤーとの遊びをつくり、切歯のトルクや高さの最終コントロールをおこなうといった、さまざまな方策が考えられる。Chair timeが限られる臨床現場では progressive withdrawal は有効だ。

 

55. Possibilities of early treatment 「可能性」とは安全性を担保した上で人為介入が可能な限界値である。知識としてこれを踏まえておかないと、その可能性を治療計画に盛り込むことはできない。臨床者自らが実証的な経験のない内は、先人などから「可能性」を学ぶのが一般的であろう。徐々に臨床に取り入れ、実際の変化をセファログラムで確認する。Headgearによる中顔面のorthopedic alteration、Utility archとsegmented archを使った一連のメカニクスはその一例だ。

 

56. Remove hazards 客観的なモニタリングを怠らないこと、または適切な演繹思考の大切さ。そもそも診断の誤りは致命的だ。治療の方向性のみならず、細かな臨床もおろそかにはできない。たとえば、牽引中の犬歯の咬合干渉・consolidation中の切歯咬合干渉・鋏状咬合の発現・あるいは顎間ゴムの装着状況・口腔衛生のモチベーション‥‥などである。

 

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